想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜
 私は、このままでいいのだと思っていた。

 でも、本当に?

 この先、いつまでかはわからないけれど、一緒にいるのだから、少しは歩み寄る努力をするべきなんじゃないのかな……。


「蒼羽、今日予定ある?」
「特にはないですけど……」
「二人で買い物にでも行かないか。家具とか家電とか、ないと不便なものがそろそろわかる頃だろう?」

 先日のフライト以降、ぐるぐる考えていたら、凱斗さんの方からお誘いが来た。

 同居を始めて二週間。確かに、キッチンの道具やちょっとした小物など、あったら便利だなあと思い始めていた。

 荷物が多くなることを予想して、凱斗さんが車を出してくれることになった。

 この街の周辺には、大きなショッピングモールがいくつかある。

「近くは会社の人に会いそうですよね」

 私達CAやパイロットは、空港から何キロまでとか、居住条件が定められている。

 深夜早朝勤務も多いので、アクセス面を考慮すると自然と住む場所が限られてくる。

 羽田までおよそ14分、直通で通えるこの街も、当然航空会社関係者が多いのだ。

「俺は構わないけど」
「私は気が休まらないです……」

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