響け!シャガのクレッシェンド
「あの、どういったご用件でしょうか?ご依頼ですか?」

「すまない。私はルートヴィッヒ・ジッキンゲン。レオンハルトの兄だ」

ルートヴィッヒはリズを見つめる。リズは「レオンハルトさんのお兄さんですか!」と驚きの声を上げた。レオンハルトから兄がいることは聞いていたが、ルートヴィッヒと会うのは初めてである。

「あの、レオンハルトさんは今,メレ国に行っていまして……」

「知っているよ」

ルートヴィッヒの言葉にリズは戸惑う。しかし、ルートヴィッヒは笑みを浮かべたままだ。リズは応接室に通すことにした。

「あの、よければお茶を淹れます。どうぞ」

「ありがとう」

ルートヴィッヒを応接室に案内した後、リズは紅茶とお茶菓子の準備をした。

(ルートヴィッヒさんはどうして事務所に来たのかしら……)

考えても答えは出てこない。レオンハルトがいないことを知っていたのならば、事務所に来る理由などないはずだ。

(本人に聞くしかなさそうね)
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