響け!シャガのクレッシェンド
「あれ?アンバーさんたちじゃないか!」

声をかけられ、三人は振り返る。ギルベルトが手をひらひらと振っていた。偶然にも、ギルベルトも同じレストランで食事中だったようだ。オルハンが真っ先に会釈する。

「ワーグナー刑事、こんばんは。お仕事帰りですか?」

「まあそんなところかな。それより、昼間にレオンから調べ物を頼まれたんだ」

「調べ物?」

オルハンだけでなく、マーガレットも口にする。リズも気になり、持っていたカトラリーをテーブルの上に置いた。ギルベルトは「あれには驚いたね」と頷きながら話す。

「花が送られてきたんだ。どうやら、依頼人が渡してきたものだったらしいんだけど、その花の正体はねーーー」

ギルベルトの言葉に、リズの目が大きく見開かれた。過去に父親が書いていた小説を思い出す。

「罪の花……」

そう呟いたリズの頭の中に、無数のメロディーと言葉が浮かんだ。



レオンハルトとカナタは二階のドアの前まで来た。レオンハルトがドアノブに手をかけ、カナタの方を見る。カナタはゆっくりと頷く。レオンハルトは勢いよくドアを開けた。
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