たい焼きの頭としっぽ〜歳の離れた弟を育てていたら、幼なじみの御曹司俳優までお世話することになりました〜
ペタペタと床を踏む間隔が、心なしか、さっきより短く感じる。

拓真は、いきなり、ばさりと私の身体に向かって倒れてきた。

ずっと見ていたこと。
バレているんだろうか。

右手は、私の頭の上にある。
左手は、私の顎をグイッと上に向ける。

もう、自由に身動きは取れない。

さっきの続き??

私の胸は、嬉しそうにドクンと弾んだ。

「続けるぞ?」
「……うん」

拓真は口を大きく開けて、息をたくさん吸い込む。
だから、私も一緒になって、口から、めいっぱい空気を取り込む。

やっぱり。
また、今にも溺れ死にそうな時間が始まった。

しっとりとした唇は上下いっぺんに食べられる。

口内では、どちらのものかも分からない唾液が、猛烈な粘着音を立てながら、一緒くたに絡み合っている。
そのせいで、口の端からは、溢れた分がだらしなく垂れ下がる。

でも、なんだか、脚の間が、不快だ。
ショーツが、ヌメっとしてきた。

まっ、いっか。

別にもう、身体はふかふかのベッドが支えてくれている。
どれだけ力が抜けようが終わることはない。

そうだ。今度こそ、いっそこのまま一生、この時間を続けていよう。

もっと
もっと
キスをしていたい。

でも、終わった。

拓真は、急に、私から離れていく。

足の向く方から、声が聞こえる。

「で、どうだ?」
「えっ、何が?」

そんなこと、どうだっていい。

ただ寂しさが強かった。
だから早くこっちに戻ってきてほしかった。

「何か、目覚めたか?」
「ええー、全然ー?」
「そうか」

こう言えば、拓真は戻ってきてくれる。

そう思ったのに……

Tシャツワンピの裾から手を入れて、脚と脚の間を抜けると、なぜかショーツのヌメったところを、一本の指で突っついた。

「でも、お前、濡らしてるだろ?」
「んっ、えー?何が?」

こんな声を出しちゃ、まるで喜んでるみたいじゃないか。今、欲しいのはそれじゃない。

すると拓真はやっと脚の間から腕を引き抜いた。

そして、濡れた指先を、私に見せてきた。

「ほら。どうなんだ?」
「んー、知らないの?お酒のせいなんだよ」

拓真は、しっかりふやけた指先と、私の顔を、交互に見返す。

「それにしては、すごいことなってるな」
「だから、気のせいだって」
「……そうか」

納得したらしい。

いや

してないらしい。

もう一度、確かめるみたいに、拓真の腕は私の脚の間に入ってきた。
また、ヌメったところだ。

そして、私は笑っている。
だって、拓真が、じーっと、こっちを見てるのが、やけに面白いんだもん。

「えへへへっ……」

でも、そのヌメッたところで、指をこねくり回されると、身体がむずむずする。

じっとしていられなくなる。
変な声まで出す。

「んあっ……」

お酒の、せいなのに。

ここで声を出したら、また彼の指で喜んでいるって、思われるじゃないか。

そうだ。

酔っ払いの赤ら顔なら、どうせお互いさまだ。
今さら隠しても、特に問題にはならないだろう。

私は、両手をすっぽり覆い被せた。

その下でも、声に出したい!声を上げたい!と
身体は騒ぐ。
だから、それを、自分の中へと押し戻すように、ふっくらとした唇の肉に、グッと歯を入れる。

「っ、ねぇ、もう、良いから」

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