結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。

4.

 ロンペル子爵領から戻ってきた私たちだが、これを機に私とシオドアの溝が深くなったような気がした。そしてシオドアは、以前よりもリンダとの関係にのめり込んでいる。
 手元に届けられた請求書を見て、私はため息をついた。これは、マダムコールからの請求書だ。シオドアが私にドレスを贈ってくれたのは、ほんの数か月前だった。だが、今ではその贈り先がリンダになっている。
 別にリンダにドレスを贈るのはかまわないが、こちらにも予算というものがあって、予算を超える買い物をするときはひと言欲しい。
 それをシオドアに言うべきか否か。
「奥様、お茶を淹れましたので休憩しませんか?」
 エマの声に笑顔を作って答えると、彼女は不安そうに私を見つめてきた。
「エマ、どうかした?」
「……いえ。近頃、旦那様は離れから出てきませんよね?」
「あぁ……そうね」
 エマの言うとおりだ。誓約書に書いた「表面上は仲の良い夫婦を演じること」なんて、きっと忘れているのだろう。ロンペル子爵領から戻ってきてから、シオドアはリンダにべったりで、食事も離れで取るようになった。
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