結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
「いえ、今はお茶だけでいいわ」
「そうですか?」
 エマが不安そうに顔を曇らせると、いたたまれない気持ちになる。
 それよりも、シオドアには予算の件を伝えなければ。これ以上のドレスや宝飾類を買うのは、控えてほしいと。
 と、そこで私は、はっとする。
 シオドアが私に贈ってくれた例のドレスは、ロンペル子爵家で支払った記録がない。つまり子爵家の予算ではないところから出たものだ。
 もしかしてシオドアの私費……のはずはないだろう。そうであれば、リンダにもそちらから出しているはず。いや、そちらを使い切ったから、ロンペル子爵家に請求書が届いているのかもしれない。
 どちらにしろ、シオドアとは一度、話し合うべきだろう。
 それを考えただけでも気が重く、頭がズキズキと痛み出す気がしてきた。
「シオドアがどちらにいるかわかる?」
「恐らく離れにいるかと……」
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