頻発性哀愁症候群
よく眠れた後の夢見心地の翌日は、いつも通りのはずだった。

「川崎さん!今日も数学の課題教えてくれない?私、本当に数学苦手なのー!」

「美坂さん……」

「だめ?」

ちゃんと断らないと。

そう思っているのに、昨日の夢のせいだろうか。

少しガードが緩んだままの私は、「いいよ」と短く答えてしまった。

「えっと、この問題はこの公式に当てはめて……美坂さん?聞いてる?」

「あ、ごめん!聞いてる!川崎さんって教えるのが上手だなって思って!」

だって私は最近、誰かにもし教えるならこうするのにって考えながら問題を解いている。

もし病気がなくて、誰とでも気兼ねなく話せたらって。
 
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