頻発性哀愁症候群
私は美坂さんと話し終えると、すぐにいつもの空き教室に逃げ込んだ。

少しだけ、寂しさが顔を出し始める。
 
お母さんはもう仕事が始まるし、学校内だから菅谷くんに連絡は出来ない。
 
今、手元にはぬいぐるみもないし、飴もない。

あるのは、美坂さんに貰ったクッキーだけ。

効果がないのは分かっているのに、私はクッキーの封を開けて、クッキーを口に運んだ。

「美味しい……」

涙が溢れるのに、溢れた言葉は「寂しい」じゃなくて、「美味しい」だった。

「嬉しい、嬉しいの……」

いつも「寂しい」と繰り返すはずの言葉は、「嬉しい」に変わる。
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