頻発性哀愁症候群
「美坂さん……!」

「川崎さん?どうしたの?」

「クッキー美味しかった……ありがとう……」

震えながらでも言えただろうか。伝わっただろうか。


「数学を教えて貰ってお礼をいうのは私の方なのに!お礼のお菓子にお礼を言うって、川崎さん優しすぎない!?」


たったそれだけの会話。

それ以上はやっぱり近づくわけにはいかなくて、話さなかった。
 
それでもその日一日、何故か私は寂しくなかった。
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