青い青い空
prologue

missing page ある夏の日、誰かとの約束




『――僕、将来小説家になりたいんだ』


 隣で寝転がる男の子は呟いた。

 眩しい青空に感動していたからか、その言葉の意味が何故か上手く理解できなくて。物語を書くってこと? と尋ねてみると『そうだよ』と、答えた呆れ顔には『それ以外に何があるんだよ』と書いてあった。


『だから、たくさん本を読んでるの?』

『たくさん本を読んだから、なりたいって思った』

『いっぱい本を読んだから?』

『作者と感性が合わないから』

『ほう。やっと自分が人とズレていることを認めたな』

『僕なら違う結末が書けると思ったから』


 真っ直ぐにこちらを見つめてくるその目が、何かを訴えているような気がして。それがどこかかわいく見えて。気が付けば、彼の頭をよしよしと撫でていた。


『おい。何だよこの手は』

『えらいえらい』


 その手は、『子供扱いすんじゃねえ』と照れた彼にペしんと払われてしまった。


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