青い青い空

 まるで写真集の表紙のように、組んだ両手の甲に顎を乗せながら黒瀬は小首を傾げた。

 唐突な質問を投げ掛けてきた彼女に一度だけ目線を上げてから、私はすぐに手元の本へと視線を落とす。


「黒瀬ちゃんは興味があるの?」

「全くない」

(そうでしょうよ)


 いつもあなた、我が道を突き進んでいらっしゃいますから。とは、敢えて口には出さないでおく。


「興味がないわけじゃないけど、信じてはないかな」


 だから、少しだけ心配だった。彼女が他人を頼ろうとすること自体珍しいことだったから。


「当たるってめっぽう評判なんだけど」

「何か悩み事?」

「悩み事というか、今はもう占いにすら縋りたい」

(目が死んどる)


 猪突猛進型で、こうと決めたら梃子でも動かない。そんな彼女がこの提案を譲るつもりなどないことは、初めからわかっていた。

 わざとらしくため息をつきながら、うるうると目を潤ませる彼女を目尻に、窓の外の空へゆっくりと視線を向ける。……今日も明るい空に、思わず目を細めた。


「いいよ」

「え。いいの?」

「切羽詰まってる黒瀬ちゃん見てるの楽しいしね」

「青崎ちゃんって、意外と黒いよね」

「お褒めいただきありがとう」

「あたし、そんな青崎ちゃんも好きだなー」


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