青い青い空

 ぐうの音も出ず言葉に詰まる。ここでさらっと上手く流せない自分に辟易した。


「心当たりあるでしょう」


 入社してからもそうだったが、彼はそれをあまり隠そうとしない。数年経ってようやくそれをあまりよく思っていない人がいることを感じ取ったのか、直接的に言ったりしたりすることは多少減ったけれど。


「君の仕事に関して彼から直接連絡をもらった時は、僕も二つ返事で了承したけどね」

「伺いました」

「でも僕は、あの時彼にああ言っただけだから」

「え?」

「過保護になる気持ちもわかるんだよ。僕だってその一人だし。でも今日君に直接会って、そこまではやりすぎかもって思った」

「先生……」


 再び信号待ちになり、静かに車が止まる。打ち付ける雨の音が、ただ響いた。


「だから、仕事が増えても僕のこと忘れないでね」

「忘れませんよ」

「ご飯も掃除も洗濯も頑張るけど、できてるかちゃんと見に来てね」

「ふふ。はい」


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