青い青い空
 ♦︎


 頭ごなしに怒鳴り付けた後、物凄い集中力で仕事に取りかかり始めた彼女を見届けてから、静かに文芸部署を後にする。


「……ふう」

「流石に言い過ぎた?」


 給湯室へ顔を出したその人物は、両腕に女性社員を侍らせていた。


 隠す気力もないまま不快に顔を歪めながら、その両脇にいる社員たちに「お前ら仕事は。これ以上サボるつもりなら上司に告げ口するぞ」と唸る。

 睨み付けられた女性社員たちは、僅かに不機嫌そうにしながらも、流石に不味いと思ったのだろう。慌てて立ち去ろうとするが、イケメン有名作家に「案内ありがとう」と笑顔で手を振られると、最後には目をハートにさせていた。


 そんな光景を見るのはこれが初めてではないが、今日に限ってはそれが妙に鼻についた。


「どこから見ていたんですか」

「何も見てはいないよ。君の様子を見てそう思っただけ」


 それでも全てをわかっているような顔付きで笑う彼に、小さく頭を抱えながら、それで? と尋ねた。


「どうして先生がこんなところに。まさか、完全に青崎を担当から外したことをもう嗅ぎ付けたとでも?」

「……聞いてない?」


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