青い青い空
思わず叫び声を上げそうになった矢先、後ろの席がガタンと大きな音を立てた。
(す、すっかり忘れてました……)
今更ながら、何ということを大声でと自己嫌悪に陥っていると、足音がピタリと私の隣で止まる。
恐る恐る見上げて、……見上げるんじゃなかったと後悔した。
(う、うきょうさん……)
本当は大声で謝罪をしたかったが、声を出すことすらままならなかった。
「ご馳走様でした」
「一体どういう神経してるんですか」と、物凄い軽蔑の視線を向けられていたから。
彼が去って行く後ろ姿を真っ青な顔で見送りながら、思い切り変な話を聞かれてしまったと頭を抱えていた私に「今の誰?」と、何も知らない久賀野から声がかかる。
「海外支部の人」
「野田さん以外にも知り合いいたんだな」
「知らない? 占いができるって有名みたいだけど」
「今の奴が? 思ってた奴とイメージ違うわ」
「どんな人だと思ってたの?」
「女にモテることしか考えてなさそうな、イタリア人みたいな男」
「イタリアの男性みんなに土下座して謝った方がいいよ」
「今のは確かに言い過ぎたけど、もっとチャラい奴かと思ってたんだって」