青い青い空
失礼な会話が耳に届いていないことを祈りながら、先に席へと着いていた彼の前にお冷やをそっと置く。
「本日のホットサンド。あと一緒にブレンドを」
「――――」
うんともすんとも返ってこない返事に、怪訝に思った視線が上がってくる。
「ああ、青崎さんでしたか。失礼しました」
こぼれ落ちそうになる言葉をぐっと堪えて、すみませんと小さく断りを入れた。
「ホットサンド、夜はやってないんです」
「え? そうなんですか?」
眼鏡の向こう側が虚を衝かれたように丸くなる。疑っていたわけではないが、昼に彼が利用していたことは間違いないらしい。
以前から昼食を食べ損ねた会社の人たちがよく来ていたし、彼もきっとその一人なのだろう。
「……そう、でしたか」
残念そうな声と共に、お腹が切なそうにないていた。
「頼んできますよ。お腹が切実にお求めのようですし」
「いえ。お店にご迷惑をおかけするわけにはいきませんので」
「右京さんがそれでいいなら……」
「青崎さんのお勧めは何ですか」
「え? ……ハヤシライスと、ナポリタン? あと、ハンバーグも美味しいです」
「子供舌ですね」