青い青い空
すると、何がおかしかったのか。ふっと噴き出された。
「何かおかしなことでもありましたか?」
「いえ。今日ここに来てよかったと思っていたところです」
「絶対嘘でしょう。確かにって顔に書いてありますけど」
虚を衝かれたこちらを余所に、我慢の限界だったのか。空腹に負けた彼はさっさと両手を合わせ……。
「あなたがいなければ、ホットサンドを切に求めていた僕の腹がどうにかなるところで――」
そしてピタリと動きを止めた。腹が空いているなら、てっきりものの三秒程度で胃に収まると思っていたのだが。
「お口に合いませんでした?」
「いつもより、しっかりめにパンが焼かれている気がしまして」
(――しまった。ついいつもの癖で)
すぐに新しいものを作ってきますと踵を返そうとしたが、「結構ですよ」と軽く手を上げて止められた。
「こちらの方が好ましいです。オーダーの時にお願いすれば?」
「えっと……」
「それで大丈夫ですよー」
通りすがりに返事を寄越したかおんに「それはいいことを聞きました」と、今度こそものの三秒でホットサンドを平らげてしまった。
「……何か?」
「お、お冷やのおかわりを注いできます」
空腹自体を疑っていたわけじゃない。切ない音は聞いていたし。
けれどやっぱり見た目のせいか、早く平らげるにしてももう少し行儀よく食べるのではないかと思っていたものだから、無防備に大きな口を開けて食べる隙だらけの姿に、一瞬どきりとした。