青い青い空
『それに、あと五十年くらいは人として生きるのも面白そうだし?』
「碧。まさかお前、それが本音じゃ」
『藍サンだってそうでしょう?』
『それじゃ、そろそろ回路切断するね』と去ろうとする碧に、藍は一度だけ待ったをかけた。
『なーに?』
「お前は、覚えているのか」
『何を?』
「私には、人の名は全て同じに見え、そして聞こえてならん」
『対象者じゃないよね。それは流石の藍サンも覚えてるだろうし』
『じゃあ使用者の方か』と、『みんなすぐ忘れるよねー』と困った表情で笑った。
『古葉 龍青』
「ああ、そんな名だったな」
『ま、最後にこの世界で名乗っていた名前だけどね』
「真名は違うというのか」
『知らなくても仕方がないよ』
だって誰も――彼自身も、最期まで思い出せはしなかったのだから。
『でも、僕は覚えておくよ』
きっとそれが――――