青い青い空
「感謝する必要はないさ。お前に許可なく無断で、しかも勝手に賭けなんかに使ったんだから」
「だいぶ強引な手だとは思いますけど。それでよく話が通りましたね」
「提案したのは佐裕子だからな。上もあっさりと捨てることはできなかったんじゃねえか」
(もしかしたら一石さんは、反対してくれたのかもしれない。私を守るために)
彼はそんな風に軽口を言っているが、この結果に至るまでには相当な苦労があったに違いない。もしかしたら、自分の仕事に加え私の仕事を受け持っていたことも、それと関係しているのかも。
「佐裕子さんにもお礼言っとかなきゃ」
「さっきあれだけ感謝しといてまだ言う気か?」
「いくら言っても足りないんです」
聞くところによると、私の出席については今でも難航しているそう。開催したとしても小規模且つ、当時の関係者だけ呼べばそれでいいだろうと。無関係の人間、ましてやただのアルバイトを授賞式などに呼ぶ必要はないと言われているそうだ。
それについては私も納得せざるを得ない。そもそもモデルになったかもしれないただのアルバイトが参加していいような場所ではない。
古葉が不参加の場合、代わりの授賞者として一石の名が挙がっている。担当だったのだからそれが正当だ。しかし彼は『それでは不十分です』と、頑なに首を横に振ったという。