青い青い空
「でも、青崎がいてくれてよかったよ」
「どうしてですか?」
「隣であいつの愚痴を聞く回数が確実に減る」
「そんなに癒やし効果があるとは到底思えないんですけど」
「いやあるだろ」と、前を歩く彼の大きな背中をじっと見上げる。
『――それを、一番近くで見守ってやるのは俺じゃありませんので』
「ん? どうかしたか?」と、振り返る彼に思わず涙ぐんだことがバレないよう、ちょっと欠伸してましたと、ちいさな嘘をついた。
「私は、一石さんで十分適任だと思いますけど」
「俺があいつの癒やしになるわけないだろ。なっても嫌だわ」
「そうじゃなくて」
「違うって青崎。たとえ周りの人間がどう思っていようと、当の本人はそう思わない。だろ?」
それは、一体どちらのことを言っているのか。もしかして、両方のことをそう言ったのか。思わず目を剥く私に「ただ」と、彼は申し訳なさそうな表情で、覗き込むように頭を下げた。
「守ってやるって言ったくせに、約束を破って。勝手に賭け事にお前のことを使って悪かった」
この人は、どこまで過保護で大馬鹿なのだろう。まさか、わかっていないと、気付いていないとでも思っているのだろうか。