青い青い空
わからないだけか、理解しようとしていないだけか。それとも、貪欲にもその先の言葉を求めているからか。
「お前、マジでわかんねえの。それ多分お前にも非があるぞ」
「どうして私が悪いんですか」
「何言ったって澄ました顔しやがって」
「いつ何を言ったって言うんですか」
しかし彼はというと「誰が言ってやるもんか」と、べーっと舌を出して拗ねた様子で歩き出そうとする。
「あっ。ちょっと、一石さん! 話はまだ終わってません!」
「僕は十分不義理を働いた」
言い逃げしようとする彼を追い掛けようとすると、急に日が陰る。いきなりのことで思わず足を止めると、数歩先にいた彼がこちらを振り返っている。陰になっているせいで、彼の表情はよく見えない。
「過保護なんてな、言われなくたってわかってんだよ。こっちはわかってやってんだっつの」
「あ、あの。一石さ」
「抱き締めたことは謝りません」
「――!」
「僕からは以上」
「流石に不味いから行くわ」と、やっぱり彼は言い逃げして横断歩道を渡っていく。まるで雲でも操っているかのように、彼が歩いた場所からゆっくりと日が差していった。まさか、わざと表情を隠していたとでも言うのだろうか。