青い青い空

「ちゃんと、約束は守るつもりだったんだよ。けどお昼前にはすごい大雨になっちゃって、帰るに帰れなかったの」


 あっという間に小さな川は氾濫。土砂も流れ込んでくるわ雷も落ちるわ、それはもう散々。命辛々、必死に逃げ延びた。

 見知らぬ土地でそんなことをした結果、案の定自分が今どこにいるのか、さっぱりわからなくなったという。その時に、彼女は別の世界に飛び込んでしまったのだと思ったのだろう。


「前にさ、占いに誘ったの覚えてる? その時にね、聞こうとしてたの。あたしの捜している人はどこですかって」

「……お兄さん?」

「ううん違うよ。だってあいつは鬼だから」

「……ん?」

「かくれんぼしてるのに、こっちから鬼捜しに行くなんて自殺行為だよ~」

「えっと、会いたくないわけじゃないんだよね?」

「それはそれ、これはこれ」

「……取り敢えず、黒瀬家のかくれんぼが命がけだと言うことはわかった」


 それで、捜してる人って? そう聞いてみれば、また彼女は一度口を噤んだ。


「もう一回言った方がいい?」

「……ううん。ごめんね。もう大丈夫」


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