青い青い空

 両親がジャーナリストだったこともあり、幼い頃からいろんな場所を見て回っていたそう。その時も両親の仕事に乗じ、一家でとある田舎町を訪れていたという。


『午後から天気悪くなるから、外に出て遊んじゃダメって言われただろ』

『おにいがお昼までにみ~んな見つけちゃえばいいんだよ』


 両親が仕事をしている間は、よく近所の子たちと遊んでいた。その日はかくれんぼを。鬼は兄だ。


『それとも、見つける自信がおありでない?』

『あおってもダメ』

『この間勝手にアイス食べたの誰だっけ』

『…………』

『一緒に買い物行こうって、言ってすっかり忘れてすっぽかしたの誰だっけ』

『…………』

『ひとみちゃんのお近づきになりたいって、協力してあげたのは?』

『ああわかったわかった。ただし』


 ――昼の鐘が鳴ったらすぐに帰ること。いいな。


 けれど、その約束を守ることはできなかった。兄と会話をしたのは、それが最後だったから。


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