青い青い空
首まで真っ赤にしたその人は、一瞬だけこちらを睨んできたけれど。
『まじ、そういうことすんなよ』
『そういうことって?』
『不意討ち』
『う、討ち抜いちゃいましたか』
本気で照れてしまった様子の彼に、こちらまでそれが伝わってきてしまって。目元に置いていた腕の隙間から、じっとこちらを見つめていた瞳から、逃げるように青空へと視線を持ち上げた。
いつも天の邪鬼な彼が素直すぎてどう反応すればいいか困っていると、不意に小指に何かが触れる。
『……約束する』
『長部?』
『絶対小説家になる。だから、絶対にお前も読んで』
『……うん』
『ちゃんと本になったやつ読ませたいから一番最初は無理かもしれないけど』
『うん』
『お前こそ、死んでも忘れるなよ』
『わすれない。やくそくする』
そっと絡み合う小指。ちいさな声に乗せた、二人の大きな夢。
『だから。頼むから泣くなって。お前が泣いてると、どうすればいいかわかんねえんだよ』
そう言って、やさしく頭を撫でてくれるあたたかい手。