青い青い空

 ――相応しくない。

 生まれつき病気を抱えているような人間が、抱いていい感情ではない。それでも、その笑顔を手放したくないと思った。ずっとそばで、見ていたいと思った。なくしたく、ないと思った。


『あの、長部』

『ん?』

『あ。な、なんでもない』


 でも、だからこそいやだった。欠陥人間の負担を、彼に背負わせてしまうことが。


青崎(あおさき)


 名前を呼ばれるのがくすぐったくて、何? と言いながら思わず身を捩る。どうしたのと聞かれたら、そよ風のせいと。言い訳には少々頼りないもの選びながら。


『……な、なに?』


 何かを言いたげに口を開いたり閉じたりした彼は、言葉が見つからなかったのか諦めたように項垂れた。


『もう少し、寝転がっていきませんか』

『う、うん。そうしましょうか』


 どこか気恥ずかしい気持ちを抱えながら、二人一緒に横になる。


『……ねえ、長部』


 本当の気持ちを伝えることは、今の自分にはできないけれど。今この瞬間、感じているこの気持ちはちゃんと伝えたくて。


『連れてきてくれて。本当にありがとう。来てよかった』


 真っ赤になった耳に、そっと感謝を囁いた。


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