青い青い空
そんな反応でさえ嬉しそうに受け止めた彼は、ぽんぽんと頭を撫でてくる。
「元気そうで何より」
「先生?」
「一応許可は取ってあるんだ。少し気分転換に伊代クンを連れ出してもいいかなって」
「気分転換?」
「僕的にはそれを一番の理由にしたいところなんだけど、君を連れ出してこいってうるさくて」
「え。誰にです?」
「それは着いてからのお楽しみ」と言う了安に連れられ、私は会場を出て超高級車へと乗り込んだ。また噂をされてしまっては彼に迷惑がかかると思い、スカーフと眼鏡をかけて、多少の変装を試みて。
「授賞式、楽しみ?」
車を発進してしばらくすると、やわらかい声が運転席からかけられる。そっと盗み見るように左側に視線を動かすと、着物姿の了安が優雅にハンドルを切っていた。
何も言えないままじっとその横顔を見ていると、気付けば彼が目尻にこちらを捕らえていて。慌てて視線を外しながら、先生こそ会見はどうだったんですかと返す。
「うん。ちょっと見物だったよ」
「みもの、ですか?」
「それはさておき。なーに。もしかして見惚れてたの?」
「授賞式については、ずっとできたらいいなと思っていました」
「もう。たまにはいいじゃない。僕にもいい思いさせてくれたって」
「わかっていらっしゃるなら聞かないでくださいよ」