青い青い空
『いいわけあるか。白昼堂々あんな発言した人間と、二人きりにさせるなんて』
「あの。何かあったんですか?」
『大したことじゃない』
(とてもそうには思えないのですが)
電話口で問い詰めてみると、女性に優しいと有名な了安が、記者からの質問に対し『僕の恋愛観なんて聞いてもしょうがないでしょう。僕はいつだって、たった一人に恋しているんだから』というような回答をしたのだという。
「先生らしいと言えばらしいですね」
『お前はその場にいなかったからそんな風に言えるんだよ』
「そんなこと言われても、先生のいつもの冗談じゃないですか」
『俺が焦って青崎さんを捜しに行くくらいには、あれは冗談なんかじゃなかったですって!』
とうとう我慢ならなかった新堂も乱入できるくらいには、どうやらパーティーの準備も順調に進んでいるらしい。任せてしまったことを申し訳なく思っていたが、宵の言うとおり、私一人いないところでどうってことなかったようだ。
『青崎さんにも見せたかったですよ。それを聞いた編集長の顔。もうそれはそれは恐ろし――いってッ!』
「え? し、新堂くん?」
電話の向こうで、痛みに叫ぶ新堂の声がしたような気がした。