青い青い空



 パッと明るくなったなと思ったら「――うお!」と驚いた声が上がる。そこでようやく、電気を点け忘れていたことに気が付いた。


「久し振りに顔見せたかと思ったら、ホラーかよ」


 ダイニングテーブルに呆然と座っていた私を見つけるや否や、着ていたコートを押し付けるように頭から被せた宵は、キッチン、廊下、リビングの電気と暖房を点けて回った。

 一通り点け終わると、買い物をしていたのか。テーブルに置いていたビニール袋を持って冷蔵庫の方へと歩いて行く。


「んで? 喫茶店は」

「早退させられた」

「だろうな。十段階評価の一でそんな顔じゃ、飯も不味くなる」

「どんな顔?」

「この世の終わりって顔」

「……そっか」


 防御力、最大値まで上げたのにな……と呟くと、「何。ゲームで嫌なことでもあったのかよ」と聞かれて、ゆっくりと首を振った。


「今日、快慶くんから聞いたの」

「そういえばあいつ、小説書いてるっつってたっけ。お前が担当なんだな」


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