青い青い空
だから、そう返事をして気が付いた。
父が今、――今のあなたはと言ったことを。
「気にはなっていました。同年代よりも落ち着いた言動に、知識量の多さ。実の息子ながら、学年首席になれるほど賢いのはどうしてかと」
「おいおい。自分の息子なんだから、疑う前に喜べよ」
「疑いたくもなりますよ。仕事ばかりで一切勉強など教えてはいないし、宿題などに伊代さんが付き合ってくれていたのも精々小学生まで。塾にも行かせてはいないのに、あなたはいろんなことをよく知っていましたから」
「独学で勉強したとかは思わないわけね」
「勉強する暇があるなら、あなたは絵を描く時間に割くでしょう」
「人の部屋に勝手に入ってんじゃねえ」
「加えて、伊代さんの前だけはポンコツですからあなた」
「うるせえほっとけ」
否定しないままそれだけに怒ると、父は少しだけ嬉しそうに頬を緩めた。
「あなたが誰であろうと、僕の息子に変わりありません」
「父さん……」
「けれど、僕の大切な娘に害をなすなら、それ相応の教育をしなければなりませんね」
「……それだけはねえから安心して」