泡のような世界で君と恋をする
周囲の光が、急に弱くなる。
海の音さえ、遠く感じた。

「大丈夫……すぐ戻るだけ」

そう自分に言い聞かせ、一歩踏み込んだ瞬間。

――ぎゅっ。

突然、何かに腕を掴まれる。

「……え?」

視界が歪み、冷たい感覚が身体を包む。

「な、なに……!?」

声を出そうとしたけど、喉が詰まる。
誰かの気配。
でも、顔は見えない。

「っ……!」

引きずられるように、意識が遠のいていく。

最後に見えたのは、
闇に沈む森の奥と――
かすかに揺れる光。

「……ル……シ……」

その声は、誰にも届かないまま、
闇に溶けて消えた。
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