泡のような世界で君と恋をする
一方、王の間。

ルシアは、玉座に座っていた。

だが、その姿は
いつもより、遠い。

長老たちは必要な報告だけを述べ、
意見を求めることはない。

「王の判断は、すでに下された」

それが、合言葉のように繰り返される。

――王としては、正しい。
――だが、信頼は削られた。

「……以上です」

報告が終わっても、誰も残らない。

広い王の間に、ルシアだけが残された。

(……共鳴は、封じた)

それなのに。

胸の奥に残る空洞は、埋まらない。
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