泡のような世界で君と恋をする

第11話 人と王

王の間に通された時、
私はまず「寒い」と思った。

水の温度ではない。
視線だ。

玉座の前に並ぶ長老たち。
その中心に、ルシアがいる。

近い。
けれど――遠い。

共鳴はない。
だから余計に、その距離がはっきり分かる。

「……澪」

ルシアが名を呼ぶ。

それだけで、胸が少しだけ軽くなった。

「呼び出した理由は分かるか」

私は、一瞬迷ってから首を振る。

「……分かりません。でも」

視線を上げる。
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