君に捧げるアイラブユー



東は特に何も気にした様子もなく、普通に歩き出した。



二人の背中が雨の中へ消えていく。私はその場から動けなかった。

なんかもう、情けない。隠れて盗み聞きして、勝手に傷ついてる自分が。



東は悪くないのに。優しいだけなのに。分かってる。そんなこと、ちゃんと分かってる。


でも、やっぱり嫌だった。


東の隣にいるのが自分じゃないこと。東が他の子に優しくしてること。そんなの当たり前なのに、見せつけられると苦しい。



私だけ特別、なんてありもしないのに。

ほんの少し話しかけてくれただけで、笑ってくれただけで、期待してしまう自分がいる。勘違いしてしまう自分がいる。


東はきっと、何も考えてないのに。


グッ、と拳を握る。

爪が手のひらに食い込むくらい強く。

雨音は相変わらずうるさくて、空は真っ暗だった。湿った空気が息苦しい。


灰色の空を睨むみたいに見上げる。



早く、晴れてよ。空も。この気持ちも。全部。早く。


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