君に捧げるアイラブユー
東はちゃんと見てくれていた。私のことを。
少なくともその他大勢として適当に扱ったことなんて一度もなかった。
私の話を聞いてくれていた。覚えていてくれていた。笑ってくれていた。
その事実を思い出した瞬間、胸の中にあった恐怖が少しだけ小さくなる。
……なにを躊躇っていたんだろう。
もちろん怖い。振られるのは怖い。傷付くのも怖い。
でも、それ以上に私は東が好きなんじゃなかったのか。好きだから苦しかったんじゃなかったのか。好きだから諦められなかったんじゃなかったのか。
だったら答えなんて最初から決まっていた。
こんなの、一つしか選択肢はないのに。私はずっとそれを見ないふりしていただけだ。
「……もし振られたら、というか多分振られると思うけど……慰めてくれる?」
自分で言って少し笑ってしまう。まだ怖がっている。まだ弱気だ。たぶんじゃない。かなり高い確率で振られると思っている。それでもさっきまでの私とは違った。
諦めるための言葉じゃない。進むための言葉だった。
「もちろん。応援してる」
その言葉を聞いた瞬間、鼻の奥がつんと痛くなる。