君に捧げるアイラブユー



泣くつもりなんてなかったのに。格好悪い。ほんとに格好悪い。でも駄目だった。

教室には私たちだけじゃない。周りにはクラスメイトもいる。みんな昼休みを過ごしている。

それなのに三木はそんなことを気にする様子もなく、ぎゅっと私を抱きしめてくれた。

突然のことに少し驚く。でもすぐに分かった。

その優しさが。温かさが。ずっと心配してくれていたことが。

三木の制服から柔軟剤の匂いがした。いつもと同じ匂いなのに、今はそれだけで泣きそうになる。



「もう……」



涙を止めようと思ったのに無理だった。私は三木の胸の中で少しだけ泣いた。

本当に少しだけ。ほんの少しだけのつもりだった。でも涙は思ったより止まらなかった。

怖かった。これから告白することが。東に好きだと伝えることが。振られることが。

でも同時に、不思議なくらい心は軽くなっていた。

逃げることをやめたからかもしれない。諦めることをやめたからかもしれない。

南野さんに怒鳴られて、三木に背中を押されて、ようやく認められたからかもしれない。

私は東が好きだ。まだ好きでいたい。好きだと伝えたい。その気持ちを。


三木の制服を少しだけ握りしめながら、私は静かに目を閉じた。


きっと怖いままだ。告白する日までずっと怖い。告白した後も怖いかもしれない。

それでもいいと思えた。結果がどうなっても、振られても、泣くことになっても、ちゃんと伝えよう。

ちゃんと自分の言葉で、東が好きだと。

そう心の中で小さく決意した瞬間、不思議なくらい胸の奥が温かくなった。


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