君に捧げるアイラブユー
私が東を見るたびに緊張していたことも。話しかけられるだけで嬉しかったことも。目が合うだけで一日幸せだったことも。何一つ伝わっていなかった。
どうしてこんなに好きなんだろう。どうして諦められなかったんだろう。
拳をぎゅっと握り締める。爪が食い込むくらい強く。それでも痛みなんて感じなかった。ずっとここにいたらだめだと思った。これ以上東の顔を見ていたら、本当に壊れてしまいそうだった。
期待してしまう。返事を聞いてしまう。もっと傷付くかもしれない。もう無理だった。
もう会わない。もうこれ以上一緒にいられない。好きだから。好きすぎるから。
「……東のバーカ!」
涙を流す代わりみたいに、私は大きな声でそう叫んだ。
情けない。子どもみたいだ。
東に背を向ける。視界が滲んで前が見えない。
それでも走り出した。
「待って!」
後ろから東の声が聞こえる。その声に足が止まりそうになる。
だめだ。振り返ったらだめ。振り返ったらまた期待してしまう。
涙が零れる。呼吸が苦しい。胸が痛い。
それでも走った。振り返らないまま。東の声から逃げるように。自分の気持ちから逃げるように。
ただひたすら前だけを見て走り続けた。


