君に捧げるアイラブユー
「はぁ……」
階段、憂鬱だな。
エレベーターついてたらいいのに。いやほんとに。毎回思う。なんでないんだろう。こんな時だけ学校の構造に文句言いたくなる。まあ言っても仕方ないんだけど。
私は松葉杖をつきながら、ゆっくり教室を出た。廊下はもうかなり静かだった。
遠くから運動部の掛け声が聞こえるくらいで、昼間みたいな騒がしさはない。
階段の前まで来て、私は一瞬立ち止まった。
ここからが毎日の小さな戦いだ。
昇降口まで行けば、お母さんが車で迎えに来てくれている。そこまで頑張れば終わり。大丈夫。慎重に降りれば平気。
「…よし」
小さく気合いを入れて、松葉杖を左手に持ち直す。右手で手すりを掴む。いつもの流れ。ゆっくり、一段ずつ。
そう思って踏み出そうとした、その瞬間だった。
「西宮?」