君に捧げるアイラブユー
東は「ほら」と言って、少しだけ手を引いた。その力は強引じゃないのに、逆らえないくらい自然で、私はそのまま最後の一段を降りる。
コトン、と足が地面につく音がやけに大きく感じた。同じ高さにあった視線がまた変わって、今度は見上げないといけない位置に東がいる。
さっきまで繋がっていた手が離れた瞬間、左手だけがぽっかり空いたみたいに冷える。その代わりのように、東は松葉杖をそっと私に差し出した。
「一人のときは呼んで」
また当たり前みたいに言う。私はそれを受け取りながら、小さく息を吐いた。
「私、いつも東に振り回されてる…」
「そう?俺のほうがいつも西宮に振り回されてるけどね」
「……っ」