君に捧げるアイラブユー
「俺も、こんなつもりじゃないよ」
……どういう意味?聞きたい。聞かなきゃ分からない。
でもその言葉の意味を考えるより先に、視界の端にある柱の時計が目に入った。
もうすぐチャイムが鳴る。時間がない。
東はきっと、このまま誤魔化そうと思えば誤魔化せる。いつもそうだ。
東は肝心なことを最後まで言わない。一言足りない。
何考えてるのか分からなくて、でも優しいから期待してしまって、勝手に振り回される。
もっとちゃんと言ってよ。
でもきっと今ここで『どういう意味?』って聞いても、東はきっと困ったように笑って終わらせる。分かる。逃げられる。
だったら。ここは、たぶん。私からいかないと。
「……東のこと、話してたの」
言った瞬間、自分の鼓動が一気にうるさくなる。もう後戻りできない。
東は少しだけ目を丸くして、「……俺のこと?」と聞き返した。