君に捧げるアイラブユー



湿った風が吹き込んできて、足元に冷たい空気がまとわりつく。


外はもう完全に雨の世界だった。地面を叩く音。屋根を打つ音。水たまりが広がっていく様子。全部が憂鬱を加速させる。


しかも今日は、それだけじゃない。私の気分も、空と同じくらいどんよりしていた。


一回も、東と話せなかったから。朝からずっと、なんとなくタイミングを探していた。


休み時間になるたび無意味に廊下を歩いてみたり、用もないのにトイレ行ったり、自販機の前で立ち止まってみたり。


もしかしたら東が偶然教室から出てくるかもしれない、なんて期待して。同じクラスじゃないって、こういう時に嫌でも思い知らされる。



廊下ですれ違えたらラッキー。話せたらもっとラッキー。

そんなの、ほとんど運任せだ。結局今日は、一回も姿を見ていない。存在確認すらできなかった。



なんで私は、こんなことで一日中気分が左右されてるんだろう。たった一回話せるだけで嬉しくなって、会えないだけでこんなに落ち込むなんて。


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