雪のお城とアリとチョコレートの秘密
第一話
二月十三日、バレンタインデーの前日、小学三年生のユキは学校帰りに
不思議な光景を目にした。
「アリさん? こんなに寒い日に、どうしてアリさんがお外にいるんだろう?」
雪がうっすらと積もった公園で、何十匹かの小さなアリたちが列を作って
動いていたのだ。
「このアリさんたち、どこへ向かってるのかな?」
ユキがあとをつけていくと、またしても不思議なものが。
公園の隅に、手のひらサイズの小さなお城があったのだ。
氷のように透き通った壁にチョコレート色の屋根。
あのアリたちがお城の中に入っていく様子が観察出来た。
「このお城って、アリさんたちが作ったのかなぁ?」
ユキが不思議に思っていると、お城の扉の中からひときわ大きな女王アリが現れた。
「人間の子よ、よくぞ来てくれました」
女王アリは優雅におじぎをした。
「アリさんが、しゃべった!」
ユキはとっても驚く。当然です。ふつう、アリはしゃべらないから。
「明日はバレンタインデー。私たちアリの国でも、毎年この日に
特別なチョコレートを作るのです。でも今年は、雪が降りすぎて材料が
集められなくて……チョコの欠片が少しあればいいのですが」
女王アリは困ったお顔で伝える。
「それは大変だね。助けてあげたいな。そうだ! ちょっと待ってて」
ユキはこれは夢かな? って思いながらもすぐ近くのコンビニで、一口サイズの四角い
小さなチョコをいくつか買って来て包み紙をはずして、
「これ、使ってください!」
地面の上に置くと、アリたちは大喜びで運び始めた。お城の中で何かが起こっているようだ。キラキラと光が漏れ出す。
しばらくして、女王アリが小さな箱を持ってきた。
「お礼です。明日、ぜひ食べてみてください」
次の日、ユキは学校でこっそりその箱を開けた。中には世界一美しいチョコレートが入っていた。でも驚いたのはそれからだ。
チョコレートを食べた途端、ユキの体がどんどん小さくなり、気づいたらあのお城の前に立っていた。
扉の向こうでは、楽しそうなパーティーの賑わう音が聞こえる。
女王アリが微笑んだ。
「ようこそ、ユキ様。今日からあなたも、私たちの仲間です。永遠に、ね」
学校では、ユキがいなくなったと大騒ぎになった。でも誰も、公園の小さなお城に新しい住人が増えたことには気づかなかった。
雪の中、アリたちの楽しそうな歌声だけが静かに響いていた。
不思議な光景を目にした。
「アリさん? こんなに寒い日に、どうしてアリさんがお外にいるんだろう?」
雪がうっすらと積もった公園で、何十匹かの小さなアリたちが列を作って
動いていたのだ。
「このアリさんたち、どこへ向かってるのかな?」
ユキがあとをつけていくと、またしても不思議なものが。
公園の隅に、手のひらサイズの小さなお城があったのだ。
氷のように透き通った壁にチョコレート色の屋根。
あのアリたちがお城の中に入っていく様子が観察出来た。
「このお城って、アリさんたちが作ったのかなぁ?」
ユキが不思議に思っていると、お城の扉の中からひときわ大きな女王アリが現れた。
「人間の子よ、よくぞ来てくれました」
女王アリは優雅におじぎをした。
「アリさんが、しゃべった!」
ユキはとっても驚く。当然です。ふつう、アリはしゃべらないから。
「明日はバレンタインデー。私たちアリの国でも、毎年この日に
特別なチョコレートを作るのです。でも今年は、雪が降りすぎて材料が
集められなくて……チョコの欠片が少しあればいいのですが」
女王アリは困ったお顔で伝える。
「それは大変だね。助けてあげたいな。そうだ! ちょっと待ってて」
ユキはこれは夢かな? って思いながらもすぐ近くのコンビニで、一口サイズの四角い
小さなチョコをいくつか買って来て包み紙をはずして、
「これ、使ってください!」
地面の上に置くと、アリたちは大喜びで運び始めた。お城の中で何かが起こっているようだ。キラキラと光が漏れ出す。
しばらくして、女王アリが小さな箱を持ってきた。
「お礼です。明日、ぜひ食べてみてください」
次の日、ユキは学校でこっそりその箱を開けた。中には世界一美しいチョコレートが入っていた。でも驚いたのはそれからだ。
チョコレートを食べた途端、ユキの体がどんどん小さくなり、気づいたらあのお城の前に立っていた。
扉の向こうでは、楽しそうなパーティーの賑わう音が聞こえる。
女王アリが微笑んだ。
「ようこそ、ユキ様。今日からあなたも、私たちの仲間です。永遠に、ね」
学校では、ユキがいなくなったと大騒ぎになった。でも誰も、公園の小さなお城に新しい住人が増えたことには気づかなかった。
雪の中、アリたちの楽しそうな歌声だけが静かに響いていた。


