ライバルがユーレイなんて聞いてない!


 俺はこんなこと一回もなかったのに!
 もしかしてこいつ、わざとやってんのか!?


「……ねぇ、小日向くんって両利きなの?」

「えっ」


 ヒュルン、と雷斗が俺から抜け出た。
 急なタイミングで入れ替わるからしどろもどろになる。


「な、なんで?」

「さっきの数学の授業では左手で書いてたでしょ?」

「あっ……」


 そうか、雷斗は左利きなのか!

 俺は右利きだし虹架ちゃんも右利きだからぶつかることはないけど、雷斗は左利きだからたまに手がぶつかるんだ。


「え、えーと、両利き練習中? みたいな……ほら、サウスポーってカッケェじゃん!?」


 我ながら苦しい言い訳だ……。


「そうなんだ、すごいね」


 あ、あぶねーー……。

 虹架ちゃんがピュアでよかった!!
 そういうところも好きだ!


『カッコいいから両利き目指してんの? ウケる〜』

「うるせえ! お前のせいだろっ」


 困った時は俺に押し付けやがって!

 とにかく雷斗は勉強も運動もできて左利きってことがわかった。

 なんか改めて腹立つな。
 多分雷斗がクラスにいたら、八雲に負けず劣らずモテたんだろうな。

 もしかしたら虹架ちゃんも雷斗のこと……いや! 考えるだけで無理だ!!

 つーか俺が雷斗よりリードしてることって、生きてるってことだけじゃね……?


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