ライバルがユーレイなんて聞いてない!
改めてライバルの強さを思い知ったけど、落ち込んでる場合じゃない。
何しろもうすぐ体育祭だ。
足の速さには自信があるし、サッカー部員としてのプライドもある。
虹架ちゃんの前でカッコいいところ見せないと……!
「おい雷斗、今日は絶対入ってくんなよ?」
『え〜、なんで?』
「なんでじゃねーよ。体育祭なんだから当たり前だろ」
『虹架ちゃんの前でカッコいいところ見せたいの?』
「わかってんなら聞くな!」
雷斗も虹架ちゃんのことが好きなのはわかってる。
でも今日だけは譲れねえ。
「ねぇ、小日向!」
急に話しかけられてビクッとする。
振り返ると、矢野さんだった。
「体育委員呼ばれてるんだけど。何一人でブツブツ言ってるの?」
「あっ、ああ! 今行くよ」
矢野さんはジトーっとした視線を俺に向けている。
俺と矢野さんは同じ体育委員なんだけど、ここ最近は体育祭の準備でよく一緒にいる。
だから俺が雷斗と話してるところを見られたことが何回かあって、すげー変な目で見られてんだよなぁ……。
「小日向って時々変だよね」
ほら、やっぱり!
「あはは、今日は大丈夫だって」
「何それ?」
「と、とにかく早く行こうよ!」
虹架ちゃんと仲の良い矢野さんにこれ以上変なやつって思われるのは嫌だ!
だから雷斗、絶対おとなしくしてろよ!?