仮
放課後の屋上を吹き抜ける風は、少しだけ冷たくて、オレンジ色の夕焼けが目に染みた。
「あれ、なんだろうこのノート」
フェンスの足元、コンクリートの端っこに、一冊のノートが落ちている。
私、姫野日凪(ひめのひなぎ)は、持っていたカバンを端に置き、その場にしゃがみ込んだ。
「誰かの忘れ物かな?」
そう思って手を伸ばした瞬間、表紙に書かれた文字が目に飛び込んできて、指が止まる。
ー『恋日記』
定規を使って書いたみたいに、少し硬くて、角ばった字。
ひと筆ひと筆に迷いがない、不思議なほど綺麗な筆跡。
「恋日記、かあ…」
なんだか見てはいけないものを見つけた気がして、胸のがざわっとした。
一体、どんな思いをここに書いているのだろう。
気づけば、私の手はそのノートをそっと拾い上げていた。
夕日に手出された角ばった文字が、まるで私に何かを訴えかけているみたいで、どうしても放っておけなかった。
「…少しだけなら、いいよね」
誰もいないことを確認して、私は自分に言い訳をした。
ノートの端にかけた指先が、言う日の熱のせいか、それとも緊張のせいか、少しだけ熱い。
表紙に手をかけて、ぱらり、とページをめくる
「あれ、なんだろうこのノート」
フェンスの足元、コンクリートの端っこに、一冊のノートが落ちている。
私、姫野日凪(ひめのひなぎ)は、持っていたカバンを端に置き、その場にしゃがみ込んだ。
「誰かの忘れ物かな?」
そう思って手を伸ばした瞬間、表紙に書かれた文字が目に飛び込んできて、指が止まる。
ー『恋日記』
定規を使って書いたみたいに、少し硬くて、角ばった字。
ひと筆ひと筆に迷いがない、不思議なほど綺麗な筆跡。
「恋日記、かあ…」
なんだか見てはいけないものを見つけた気がして、胸のがざわっとした。
一体、どんな思いをここに書いているのだろう。
気づけば、私の手はそのノートをそっと拾い上げていた。
夕日に手出された角ばった文字が、まるで私に何かを訴えかけているみたいで、どうしても放っておけなかった。
「…少しだけなら、いいよね」
誰もいないことを確認して、私は自分に言い訳をした。
ノートの端にかけた指先が、言う日の熱のせいか、それとも緊張のせいか、少しだけ熱い。
表紙に手をかけて、ぱらり、とページをめくる