君の紅が好き
なんて美しい顔立ちなのだろう・・・。

と艶は思った。

その少年は京の都から来た使いだと名乗り、

艶に京の都から華代宛ての手紙を渡しその場を去って行った。


艶は少年を追った。

『ッあの。お名前をッお名前をお名乗りいただけませんかッ。』

息を切らした艶の肩を支えながら

少年がまっすぐな瞳で言った。

『名乗るほどの者ではありませんが、伸頼(ノブヨリ)と申します。高杉伸頼。あなたは?』

『艶。私ッ華潟(ハナガタ)艶と申します。』

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