私の従者は…
その言葉で表したいことは分かっていた。
というのもお嬢様にお見合いの話が出ているのだ。
「私は私の仕事をするだけです」
「そんな事言ってると取られちゃうよ」
ニヤついている彼に少し腹を立てつつ平然と努めた。
「あなたこそ大変なのでは?留学の」
「ああ。まぁ準備は大変だけど」
彼は高校卒業と共に海外へ留学する。
「ではそちらに集中してください」
「相変わらず厳しいねぇ。噂になってるよ〜伊織くんはお嬢様以外興味がないってね。女の子達はそこも良いみたいだけど」
「執事として当たり前の事をしているだけです」
「卒業を機に告白でもしてみたら?凛ちゃんも満更じゃないと思うんだよね」
「それはあなたに言われる事ではありませんので」
「あ〜はいはい。失礼しました」
それからさらにマナー講座を兼ねたお茶会は続いた。
そしてついにダンスレッスンが始まる。
今回は境美璃にマナーやダンスを教えるのが目的なので主に境さんと踊る。
彼女は薔薇園学院の特待生制度で入った生徒で生徒会役員だ。
お嬢様もなにかと気にかけて仲良くしている。
その時。
「とりあえず私が伊織とお手本を見せるから見てて」
お嬢様と踊る機会が思わぬ形でやって来た。
「まず最初に姿勢はこんな感じね。リードは男性に任せる感じで。基本のステップはこんな感じ。これさえできていれば問題ないわ」
お嬢様は丁寧に説明していたが自分は内心ドキドキしているのを隠し平然を保つのに必死だった。
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