最愛の灯を吹き消す頃に。
壊されてしまった小説を″復元″させることには苦労していたけれど、親友くんと関わる時間が増えたことは嬉しそうだった。

コンテストの締切には間に合わなかった。
落ちこんではいたけれど、せっかくだからインターネットの小説サイトに投稿して、チャンスがあればまたコンテストも狙ってみると、今は前向きに捉えられている。

「今度こそ完結できたらニーナにご褒美しようね」

「なんで私に?ちーくんにでしょ」

「自分のことは自分だから案外平気なんだよ。人を支え統けるって大変なんだから。ご褒美しよ」

「ありがとう。楽しみにしてるね」

それならね、ちーくん。
その時には彼女だって言ってくれたら嬉しいな。

今は時間も甘い言葉も、「暇人の発想だ」なんて、世間にたてついて笑い飛ばしてあげるからさ。

これまでのペースで構わないから、そう言って抱き締めて。

コッソリとご褒美に期待する。
今はまだバレないように。

ちーくんの「に」の心臓の灯に願いをかける。

「いち」の灯が紫色なのは、きっといつか吹き消してあげられるように。
あなたの紅色を守るから。
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