最愛の灯を吹き消す頃に。
「痛いねぇ…」

「痛い?大丈夫?」

「頭も…、体の中も関節も痛い」

去年は私もインルに感染して苦しんだ。
高熱と嘔吐。
ちーくんが言うように身体中の節々が痛かった。

「水分はちゃんと摂ってる?渇くと余計痛いからしっかり摂ってね」

「痛くて動けないもん」

「…誰か持ってきてくれないの」

「父さんが帰ってくれば」

「お母さんは!?」

「感染るからって」

許せない。
どこまでも自分勝手で、愛に飢えた人。

「もう我慢できないよ」

「ニーナ?泣いてるの?」

「大切な人が苦しんでるのに…」

「俺は平気だよ」

「平気なわけない」

「平気だよ。だってニーナは俺の安全装置でしょ。生殺与奪でしょ」

咳込みながら、辿々しく聞こえてくる声が切ない。

「元気になったらいっぱいギュッてしよ」

「うん。約束ね」

「だから頑張ろうね」

「ニーナ」

「なぁに」

「好きだよ」

「わ…私も。大好き」
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