最愛の灯を吹き消す頃に。
ちーくんの告別式はその週の土曜日に執り行われた。
クラスメイトや転校する前の学校の友人達が参列できるようにと、ちーくんの義父が配慮してくれたそうだ。
参列を希望する生徒は朝十時に校門前に集合して、学校が手配してくれた葬儀場のマイクロバスに乗って出発することになっていた。
雪が降っていた。
だけど太陽の光も降り注いでいる、不思議な天気だった。
地面にふわりと着地する雪はやわらかく、そっと静かに一瞬で溶けていく。
全然積もりそうにはない雪だった。
グラウンドには先生達やクラスメイト、学年関係なく集まってきている。
ちーくんの人望の厚さが目に見えるようだった。
「葬儀場に向かう」という非日常に相対するように、どの心臓の灯も弱々しい。
仮にこの中の灯が病気や怪我を知らせていたとしても私にはもう助ける気力は残っていない。
「新凪。寒いでしょ」
私より少しだけ遅れてきたさゆみが、自分が巻いていたマフラーを私の首に巻いてくれる。
「さゆみが寒くなるじゃん」
「平気。ほら」
制服の下にタートルニットを着ているのを見せてくれる。
寒くないから大丈夫だとマフラーを返そうかと思ったけれど、身体が重たくて腕を動かしたくもなかった。
ちっとも寒くなんてない。
何も感じられない。
温度も、集まってくる人達の声さえフィルターが掛かったように遠くに聴こえていた。
クラスメイトや転校する前の学校の友人達が参列できるようにと、ちーくんの義父が配慮してくれたそうだ。
参列を希望する生徒は朝十時に校門前に集合して、学校が手配してくれた葬儀場のマイクロバスに乗って出発することになっていた。
雪が降っていた。
だけど太陽の光も降り注いでいる、不思議な天気だった。
地面にふわりと着地する雪はやわらかく、そっと静かに一瞬で溶けていく。
全然積もりそうにはない雪だった。
グラウンドには先生達やクラスメイト、学年関係なく集まってきている。
ちーくんの人望の厚さが目に見えるようだった。
「葬儀場に向かう」という非日常に相対するように、どの心臓の灯も弱々しい。
仮にこの中の灯が病気や怪我を知らせていたとしても私にはもう助ける気力は残っていない。
「新凪。寒いでしょ」
私より少しだけ遅れてきたさゆみが、自分が巻いていたマフラーを私の首に巻いてくれる。
「さゆみが寒くなるじゃん」
「平気。ほら」
制服の下にタートルニットを着ているのを見せてくれる。
寒くないから大丈夫だとマフラーを返そうかと思ったけれど、身体が重たくて腕を動かしたくもなかった。
ちっとも寒くなんてない。
何も感じられない。
温度も、集まってくる人達の声さえフィルターが掛かったように遠くに聴こえていた。