最愛の灯を吹き消す頃に。
マイクロバスが三台、グラウンドに入車してきた。
そのうちの一台は私達、二年一組専用だった。

参列希望者達がゆっくりとバスに乗り込んでいく。
その光景を朝礼台に寄り掛かりながら見送っていく。
さゆみも動こうとしないし、何も言わない。

運動場から少しずつ人が姿を消していく。

死ぬわけじゃない。
今、私の目の前から消えても呼吸は続いていく。

私達二人を残して、全員がバスに乗り込んだ。
まるで透明人間になってしまったみたいに、私達の姿が見えなくなったのか誰も、九条先生すら声をかけてこなかった。

私とさゆみを残してバスが校門を出ていく。
砂埃が舞っている。
全部がスローモンションのように動いている。

「いいの?」

「行けない」

「最後なんだよ」

「最後はとっくに終わってるよ」

「でも…ちゃんと元宮くんの身体、見ないでいいの」

「そこにちーくんは居ないから」
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