最愛の灯を吹き消す頃に。
「元宮くんどこ行ったんだろうね」

冷やし中華のごまだれをくっついて固まった麺にかけながらさゆみが言った。

「そうだね」

ちーくんはいつも仲良しの男子達と一ヶ所に集まってサッとごはんを食べたらすぐに運動場や体育館に遊びに行っている。
部活はやっていないけれど、サッカー部やバスケ部に誘われることが多いみたいだった。

お昼休みに入ってからまだ十分ちょっとしか経っていないのに、ちーくんの姿は教室内には見当たらない。

「契なら桑原に連れてかれてたぞ」

「桑原さん?」

ズズッと冷やし中華を啜りながらさゆみは何かを考える素振りを見せた。

教えてくれた男子もニヤニヤしながら答える。

「桑原、契へのアピール凄いじゃん。あいつ、一年の時からイケメン好きで有名でしょ」

「あの顔は誰でも好きでしょ」

冗談めかして言いながらさゆみは小さい口をキュッと丁寧にウェットティッシュで拭った。

桑原さんは学年の中では派手なグループで身なり検査の時にはいつも注意されているような子だった。
だけど明るくて気さくだから友達も多い。
休み時間のたびにちーくんの周りに必ず居ることが印象的でもある。
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